事故発生時及び緊急時対応マニュアル


Ⅰ.基本的な考え方

事故発生時ならびに緊急時には適切な処置と調整、報告を行うことができるようこのマニュアルを作成する。また可能な限りその防止に努めるために、事故等の発生要因や対応、課題などについての報告および分析を行うものとする。

Ⅱ.事故発生の予防について

原則として、利用者の活動を不当に制限することなく、事故の発生を予防するために、下記の事項については、特に充分な理解と実践に努めることとする。
① 個々の利用者の健康状態や予測されるリスクについて
② 個々の利用者の通常の生活状況、行動様式について
③ 基本的に行う支援の内容・留意点について
④ 特に個別に行う支援の内容・留意点について
⑤ 充分なコミュニケーションと信頼関係の構築
⑥ 顔色や活力、熱感など一般的な観察
⑦ 支援者間の情報の共有と調整
⑧ 利用者の基本的な情報及び記録類の整備

Ⅲ.情報の収集と整理について

1.事故発生時及び緊急時、協力医療機関等への情報提供が円滑に行われるように適切な情報収集と整理を行っておくこととする。取り扱う情報の中には次の事項が必携されるものとし、個人情報の使用に関してはあらかじめ書面にて同意を得るものとする。
① 氏名,住所,緊急連絡先,家族構成などについて
② 病歴,既往歴,服薬や処置,その他の医療的情報について
③ 日常生活状況および支援の概要について
④ その他、医療提供上必要と思われる事項について
2.発生時の情報については、以下の要点に沿って整理する。
① 発生・発見の日時・場所、内容(病気か?怪我か?)
② 症状の概要(意識状態・呼吸・疼痛・出血などの部位と程度)
③ 発見後にとった処置・対処の概要
④ 医師などに指示を受けた場合は、その内容について

Ⅳ.緊急時の処置及び手当てについて

緊急を要する事態が発生した場合は、速やかに管理者に連絡をする。
尚、発生時の状態の把握及び留意する点については、以下の事項を参考とすること。
①意識状態(意識がない、反応が鈍い、呂律が回らないなど)
②呼吸状態(呼吸がない、窒息、呼吸が早い・遅い・弱いなど)
③誤飲異食(口内の異物の有無、飲食した物と量、時間経過など)
④転倒転落(出血・打撲の部位・程度、疼痛の有無、意識など)
⑤発 熱(体温、発汗の状態、下痢・嘔吐の有無など)
⑥嘔 吐(嘔吐物の色・形状・量、その他の訴え・症状など)
⑦吐血下血(色・量・回数、その他の訴え・症状など)
⑧頭 痛(激痛か? 嘔気・痺れ・麻痺・言語障害などの有無)
⑨胸 痛(激痛か? 脂汗・冷や汗、時間、脈拍の乱れなど)
⑩腹 痛(下痢・便秘の有無、排尿の状況、嘔気の有無など)
⑪熱 傷(熱傷の原因、部位・広さ・水疱の有無など)

Ⅴ.事故発生時及び緊急時の連絡・報告について

事故発生時及び緊急時の連絡・報告は、医療的処置に関する連絡・調整を優先するものとし、各部署・担当は円滑に連絡・報告を行う。また、判断や指示の内容等必要な事項については、速やかに管理者に報告するものとする。また、各責任は、通院治療が必要でないと思われる場合にあっても、医療的処置を施された(経過観察も含む)場合については、その概要を管理者・関係部署に文書又は口頭にて報告すること。

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